On the Road

スピリチュアル妄想録
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たそがれゆく日米同盟―ニッポンFSXを撃て (新潮文庫)たそがれゆく日米同盟―ニッポンFSXを撃て (新潮文庫)
(2006/06)
手嶋 龍一

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1991年日本の敗北もそうだけど、この本を見てあらためて著者の取材力・文章力に感銘を受けた。
最近ウルトラダラーのような、若干トンデモがはいった政治的な小説の方向に行ってしまっているのが惜しい。まあ、あれもエンターテイメントとしては面白いのだけど。


・日米相互防衛援助協定にもとづいた対米武器技術供与取り決め。この取り決め下での日本からアメリカへ供与された技術の余りの少なさ。日本のハイテクはほとんど汎用品だから。F15にライセンス生産でブラックボックスになっている技術を日本企業が盗んできるのではとの疑念。

・三菱長崎造船所=海軍と共に歩み、武蔵の名前で知られる。三菱名古屋航空機製作所はゼロ戦で知られる。GHQの財閥解体で三菱重工グループは3社に分割。朝鮮戦争で、兵器・航空機の生産禁止令が解除され、ゼロ戦の技術者達は久しぶりに機体に触れた。ノックダウン方式からライセンス方式へ。
米国の戦闘機のFXにより、スリーダイヤの技術者達は知的含み資産を貯えていった。

・ライセンス生産では、戦闘機の組み立てには習熟できるが、独自のノウハウは育たない。

・半導体協定推進派は、通産省の機械・情報産業局と外務省の経済北米局。反対派は通産省の通商政策局と外務省の条約局。反対派は輸入の努力目標を入れるのは管理貿易として反対。推進派の隠された意図は、管理貿易と問う誠意派の絶ちがたい誘惑。半導体産業は当時群雄割拠。通産省はコントロールしたかった。

・米国議会内の日本の国産反対派と、ビル・ブラッドレー、アーミテージらの知日派。そして知日派を日本は傷つけた。

・東芝ココム事件の前科。潜水艦はトイレの音やしゃっくりの音なども聞き分ける。スクリュー音は音紋といわれ、小さければ小さいほど良い。東芝は偽装して輸出。

・日本型ゴーリストとしての石原慎太郎

・アメリカが過大な期待を寄せる軍事的リアリストには多くの隠れゴーリストがいる。永井陽之助の分析。
人を見抜く技術──20年間無敗、伝説の雀鬼の「人間観察力」 (講談社プラスアルファ新書)人を見抜く技術──20年間無敗、伝説の雀鬼の「人間観察力」 (講談社プラスアルファ新書)
(2009/01/21)
桜井 章一

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マージャンファンの中では雀鬼流として知られる人。結構本も書いているが初めて読んだ。
まあ、期待したほどでもなかった。

以下メモ。

・癖は人を表す。習慣から癖はデキ、習慣は環境からできる。だから癖はその人の日常を表す。

・正確を直すのは難しいので癖から直す。

・ミスを許さない社会・環境が人に行動を求めなくなり、ニートや引きこもりがふえた。

・テレビ画面である人のハイを見ているだけの部分視だと何も分からないが、その場にいれば全体視で全てが見える。

・上に立つ人間こそ譲りの精神が必要。

・子供をしかるよりは、物語を作って聞かせたりして修正してあげる。
野垂れ死に (新潮新書)野垂れ死に (新潮新書)
(2005/04/15)
藤沢 秀行

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私も今のように碁を打つようになる前は、おもに将棋の米長邦雄の著書で藤沢秀行の豪放さについては、聞いていた。
最近なくなってしまって、テレビでもいくつか彼についての放送があったが、やはり一番強烈なエピソードは、死ぬ前に残した「強烈な努力」という書。この言葉があるから今から日本の碁界は中韓を追い上げるようになるのではと思わせるほどの言葉だ。

こういう豪放磊落と思われている人が「強烈な努力」という言葉を最後に残した。
http://www.google.com/search?q=%E5%BC%B7%E7%83%88%E3%81%AA%E5%8A%AA%E5%8A%9B&rls=p,com.microsoft:ja-JP:IE-SearchBox&ie=UTF-8&oe=UTF-8&sourceid=ie7&rlz=1I7SUNA_en

その重みは棋士ではない
人にも大きなインパクトを与えるだろう。
一流の人はみんな強烈な努力をしているのだ。(ちなみにあの矢沢栄吉もNHK「songs」内の若者への人生相談で、「矢沢は真面目な人です。(略)真面目に物事に取り組むことは昔からかわってない」というようなことを言っていた。)

愛弟子、高尾9段の藤沢秀行死去のときのブログも興味いぶかい。こういう師弟関係は好き。
http://blog.goo.ne.jp/s-takao-san/d/20090509
http://blog.goo.ne.jp/s-takao-san/d/20090511

以下はこの本のメモ。

・私ほど碁の勉強に打ち込んだものはいない。四六時中碁のことを考えて、何をやってるときもいつも頭は碁盤に占領されている。朝抜けに石を握って、気がついたら日が暮れていたこともある。夏はパンツ一丁で汗だくになって碁盤に向かっていた。石を持つ右手人差し指はぺらぺらになったり変形したりした。

・今の若手で特に楽しみにしているのは結城聡。恐らく今日本で一番強いのではないか。

・中韓の棋士も多く育て、入院していたときは、彼らが心配して高価な漢方薬や朝鮮人参を送ってくれた。

・碁の名人の名は織田信長がつけた。

・本宅の3人の子とは別に息子3人、娘一人がいる。何年も家に帰らないこともあった。


ウィキペディアより

引用

盤上での活躍の一方、盤外では酒、ギャンブル、借金、女性関係など破天荒な生活でも有名。癌の手術以前はアルコール依存症の禁断症状と戦いながらの対局を重ねていた。こうした「最後の無頼派」とでも称すべき藤沢の人柄を愛する者は多く、政財界に多くの支持者を抱えるほか、日中韓の若手棋士からも非常に尊敬されている。
女性関係も派手で、愛人の家に入り浸って自宅に3年もの間帰らなかったこともあった。用事ができて帰らなければならなくなった際、自宅への行き方がわからず妻を電話で呼び出して案内させたという。
酔っぱらったら女性器の俗称を連呼する悪癖があり、小平と面会した際、あろうことかベロンベロンに酔っぱらっており「中国語ではおまんこのことを何というのだ」と執拗に絡み、面会は途中で中止となった。
また、開高健のエッセイ『開口閉口』に出てくる、「門口で『やい、クロ饅子、でてこい!』と叫ぶ『疾風怒濤のロマン派』」とは藤沢の事である。
競輪が好きで、後楽園競輪で250万円を取り、それを花月園競輪で480万円にしたこともある。亡くなる前年には競輪場で転倒して骨折している。
競輪で250万円の車券を1点買いしたが惜しくも外れ、競輪場で観戦していたときに金網を強く握りすぎて菱形にひしゃげてしまい、「秀行引き寄せの金網」としてその競輪場の名所になった[1]。
米長邦雄の妻が藤沢の妻を訪ね、米長の妻が「うちの主人は週に5日帰ってこないのですが」と藤沢の妻に相談したところ、藤沢の妻は「うちは3年、帰りませんでした」と答えた[1]。

中公新書2000点記念のパンフレット「中公新書の森」について。(2ヶ月ほど前にゲットした限定物なので恐らく今は書店に無い)
有名人の「思い出の中公新書」などがリストアップされており面白い。

2000冊のうち、読んだことあるのは数えたところ、約35冊。読まずに積読になっているもの約5冊。

その中で、私の「思い出の中公新書」をあげるとすれば次の通り。(思い出というよりも読んでよかったと思える本。)

「国際政治」 高坂正堯
国際政治―恐怖と希望 (中公新書 (108))国際政治―恐怖と希望 (中公新書 (108))
(1966/08)
高坂 正尭

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これは、文句なしによい本。このパンフレットの中でも、太田肇、小宮一慶、戸部良一、村井良太、村田晃嗣があげている。久しぶりに読みたくなった。


「理科系の作文技術」
理科系の作文技術 (中公新書 (624))理科系の作文技術 (中公新書 (624))
(1981/01)
木下 是雄

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学生時代に読んでおくと得をする本。社会人になってからでも遅くない。
パンフレットでは外山滋比古、橋爪大三郎らがあげている。

「超整理法」 野口悠紀夫
「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)「超」整理法―情報検索と発想の新システム (中公新書)
(1993/11)
野口 悠紀雄

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面白い。当時としては画期的な本。


「太平洋戦争」上下 児島襄
太平洋戦争 (上) (中公新書 (84))太平洋戦争 (上) (中公新書 (84))
(1965/11)
児島 襄

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日本人なら読んでおきたい。



いつかは読みたい本。

「アーロン収容所」 会田雄次  中公新書と言ったらこれ。
「敗者の条件」 会田雄次
「東京裁判 上下」 児島襄
「日本の参謀本部」大江志乃夫
「近衛時代」松本重治他
「清沢冽」 北岡伸一
「ケインズとハイエク」 間宮陽介
「敗者の維新史」 星亮一
「軍師・参謀」 小和田哲夫
「アダムスミス」 堂目卓生
「二二六事件」 高橋正衛
「百人一首」「百人一句」「漢詩百首」 高橋睦郎
「昭和の軍閥」 高橋正衛
「戦略家ニクソン」 田久保忠衛
「日中戦争」 臼井勝美


米中暗闘 オペレーション菊米中暗闘 オペレーション菊
(2004/04/08)
如月 遼

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最近の中央公論に著者(如月遼)が近未来予測を載せていて始めてその存在を知った。
この本は日米中の核・ハイテク軍事技術をめぐる争いを書いたフィクション。著者はかなり内情に詳しい人と思われる。
正体はジャーナリストか政府関係者かかなあ。

以下メモ。フィクションも当然含まれる。

・英国は原子力潜水艦に毎年発射核を搭載しそれを常備配備することで核抑止力。

・米国はFSXのケース以来、日本との軍事技術共同開発には消極的

・米国ですら注目する技術が日本にある。大容量通信、高度なセンサー技術、英起床パネル。今後、軍事技術と民生技術はますます区別がつきにくくなる。米国もPX共同開発を簡単に断れないはず。

・ハイテク技術を有する日本の電子会社の技術部長に近づく或る中国大使館員

・或る防衛庁幹部の考え方:日本の防衛産業は敗戦以来日陰者。しかし、かつてゼロ戦を作り上げた日本の技術が劣っていたわけではない。再び世界に誇れるような軍事力を身につけさせたい。経産省の考え方は町人国家の域を出ない。防衛産業育成のふりをしても最後は民生技術の開発。目指すべきは堂小津たる国防産業基盤整備。

・国家間の力の差が有力基幹産業の競争力にも大きな影響。90年代に入り通産省はいつの間にか米国の御用聞きのような存在になってしまった。
「昭和」を点検する (講談社現代新書)「昭和」を点検する (講談社現代新書)
(2008/07/18)
半藤 一利保阪 正康

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おなじみの二人になってしまったが、本人達も気にするように「出涸らし」的でほとんど読みなれた内容だが以下メモ。

・太平洋戦争緒戦での勝利の後、占領地の島々をいずれは日本領とすると決定。

・統制派の永田と皇道派の小畑はともに対ソということで一致するが、永田がまず高度国防国家を建設することが先だと考えたのに対し、小畑はそれを赤化と考えた。その後、小畑が予防戦争論、永田が対支一激論の激突@昭和8年6月の秘密会議。

・小畑ら皇道派からすればソ連一国でも大変なのに中国を敵に回すなんて冗談じゃない問い言うもの

・蒋介石を相手にせず声明の大意。シナ政府に反省の最後の機会を与えるために今日に至ったが、国民政府は帝国の真意を介さず抗戦を策し人民に塗炭の苦しみをあたえ、東亜全局の和平を考えていない。

・南部仏印進駐までなら米国は怒らないとの楽観的観測。

・西南戦争のときに兵を動かすときにいちいち政府に伺いを立て色々と齟齬。その結果統帥権を独立。

・国際連盟はリットン調査団で日本に譲歩した報告書をだし、政府内でもそれを受け入れる動きもあったが、新聞が急先鋒でけしからんとやった。132の言論機関が受諾するなと連盟で声明。

・1933年のタンクー停戦協定で満州事変は一応ストップ。外務省の天羽情報局長が協和声明。日本のアジアモンロー主義と批判。

・日本の軍人は戦争に勝って賠償金を取ることが最大の任務と考えていた節がある。

・太平洋戦争で負ける頃は、参謀総長の梅津は東郷外務大臣に負けると賠償金をいくらとられるのかとしきりに気にしていた。

学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)
(2009/02/09)
福澤 諭吉

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この本は非常にいい本。さすが福沢諭吉
最近のお勉強ブームに乗った感もあるが、凡百の勉強本読むよりもこれを読んだほうがいいかも。デモできるだけ早いうちに読みたい。
特に初編なんかは中学とかの国語の教科書に載せるべき。
たいして勉強せずに社会に出て弱者の権利を社会に要求している人が多すぎるので。

基本的には、明治維新により封建制が打倒され西欧風の政府ができ、その中で、「個人」はいかにあるべきかということを諭した本。
その答えが、学問であり、それにより国家に貢献し国の独立に寄与すること。
現代に読んでも尤もだと思うことが多い。社会との関係の中での健全な自由主義というものを社会が忘れつつあるのかもしれない。

以下メモ。

・社会的地位が高い人の元々を見ていくと、ただその人に学問の力があるかないかによってそうしいた違いができただけであり、天が生まれてさだめた違いではない。

・まず一生懸命にやるべきは、普通の生活に役に立つ実学。

・世の中で学問のない国民ほど哀れで憎むべきものは無い。知恵が無いのがきわまると恥を知らなくなる。無知ゆえに貧乏になり、経済的においこまれると自分のみを反省せずに金持ちを恨んだり、はなはだしくなると集団で乱暴すると言うこともある。世の中の法律を頼りにして、身の安全を保って社会生活をしているにも関わらず、依存するところは依存しながら都合が悪くなると私利私欲のために法律を破るやつがいる。
→現代にもそういう人は多くいる。

・おろかな民を支配するには道理で諭しても無駄なので威力でおどすしかない。「愚かな民の上には厳しい政府がある」というのはこのこと。法律が厳しかったり寛容だったりするのは、国民に徳があるかないかによってかわってくる。

・大事なことは、自分の行動を正しくし、熱心に勉強し、広く知識を得てそれぞれの社会的役割にふさわしい知識や人間性を備えること。

・権理

・古事記は暗唱できるが米の値段を知らないものは実生活の学問に弱いもの。独立した生活ができないものは、国のためには無用の長物で経済を妨げるただ飯食い。

・日本国民を志を持って学問し、一身を独立させれば、国を強くすれば静養の力はおそるるに足らない。道理を持つ相手とは交際し、道理を持たない相手は打ち払うことができる。

・独立とは自分の身を自分で支配し、他人に依存する心が無いこと。自分自身で物ごとの正しい悪いを判断し、間違いのない対応ができること。自分自身で生計を立てていること。

・国民それぞれが独立せず他人に依存していると、国民は国に対して客となり、主体性を持たずに国民としての責任を果たさなくなる。結果戦争が起きてもみんな逃げ出してしまう。

・優秀なものは官の世界に行きたがるが、それは世の中の気風に染まったもの。結果として、官を慕い、恐れ、頼み、へつらい、ちっとも独立の精神を示さなく醜態を示す。文明を発達させ、一国を独立させるには官の力だけでは駄目。民間にも大きな役割がある。

・政府の事業を整理すれば事業が民間に回る。
→今の小さな政府論にもつうずる。

・読書は学問の技術であり、学問は物事をなすための技術。実地で事をにあたる経験を持たなければ勇気は生まれない

・赤穂浪士がやったことは英雄的行為ではなく愚かな私刑。法に訴えるべきであった。

・自由であるが人の自由を侵してはいけない。人間としての分限を間違えず世間を渡れば、他人にとがめられず天に罰せられることも無い。これが人間の権理。

・文明は先人の遺産であり、それを発展させていく必要。

・学問の本旨は読書ではなく、精神の働き。観察、推理(リーズニング)し、本を読み、書き、人と議論する。そのための演説の機会は重要。

・人間の見識・品格は読書で高まるものではない。経済学者が自分の家計をうまくできなかったり、修身学者が自分の身を修めることもできない人がいるr。 見識・品格を高めるには物事を比較し、上を目指し、決して自己満足しないこと。比較とはそれぞれの良いこと悪いことを見ること。古今の人物をみて高いレベルの人物と自らを比較する。

・欠点中の欠点は、怨望。働き方が陰険で進んで何かをなすものでもない。他人の様子を見て自分に不平を抱き、自分のことを反省せず他人に多くを求める。不平を解消する方法は自分が得をすることではなく、他人に害を与えること。他人の幸福と自己を比較し、自分を改善しようとせずに他人の不幸を喜ぶ精神。

・怨望は諸悪の根源でどんな人間の悪事もここから生まれてくる。以下に貧乏で地位が低くてもそれが自分の責任であることを理解すればみだりに他人をうらやんだりしない。だからいいことも悪いことも運任せになってしまうと怨望が蔓延する。

・信じる・疑うことについては取捨選択の判断力が必要。学問は子の判断力確率のためにある。

・心が高いところにあり働きが乏しいものは常に不平を持つ。自分にできる仕事は全て自分の心の基準に満たず、自分の理想に合う仕事をこなす能力は無い。こうなってもその原因を自分に求めず他人を批判する。世界中にするべき仕事が無いかのように引きこもって煩悶する。
→まさに現代のひきこもりの典型。

・高い理想で人の仕事を見るから自然に他人の仕事を軽蔑する。他人の仕事を見て物足りないと思ったら自分でやってみよ。そうしてその難しさを知るべき。

・活発な知性の働きと正直な心という徳で人望とはシゼンに獲得される。人望により商店はますます繁盛する。

・自己アピールのためには、言葉について勉強し、うまく考えを表現できるようになること。表情・見た目を工夫して相手に不快感を与えないこと。オープンにしないと人は寄ってこない。そうして人との交際を広げること。関心を様々にもち多方面で人と交際する。


日米同盟の正体~迷走する安全保障 (講談社現代新書)日米同盟の正体~迷走する安全保障 (講談社現代新書)
(2009/03/19)
孫崎 享

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著者の名前は孫崎とおるかと思っていたが、ウケルらしい。

反米・陰謀論をそれなりに説得力を持って展開している。元外交官でそれなりの要職に会った人が、ここまで陰謀論を肯定的に唱えることは珍。


以下、メモ。

・05年の「未来のための変革と再編」は大きな転換点。日米同名をグローバルに展開するもの。

・自衛隊も安保の専門家の立場から政策提言を行うべきだが、田母神の例にも見られるようにその実力が伴っていない。

・米国安保関係者の見方。①日本人は安保問題を戦略・軍事の観点から理解できない。②日本の安保政策は米国がシナリオを書く必要あり、③日本人を説得するには安保で述べても分からないので、経済を絡ませて説得するべし。
→③はたしかにその傾向があると思う。国益というと経済の観点しかない人が多い。

・冷戦期に対ソ連用に日本の対潜水能力強化を米国がさせたかったとき、日本人には通じないから、石油・シーレーンの観点から説得し成功。

・孫子「上兵は謀をうつ。その次は交(同名)をうつ。その次は兵をうつ。その下は城を攻める。」日本は最も低い評価の城攻めを最大評価。日本の戦史を見てもそう。日本では山本五十六は高評価だが、海外の戦略家は落第点。安保関係者はスパイ小説などを読んで現在の謀を学ぶ必要。

・日本人は戦略的思考が弱く、謀略・陰謀論的な動きがでるとそれは有り得ないと思考停止。そもそも陰謀論的動きは表に出ないことを目指しており、発覚しない。100%の確証がないため責任ある立場の人は陰謀論にてをつけず、結果日本人が謀略を理解できなくなる。

・米国は国民の発言力がどの国よりも大きいため、国民を誘導する謀略がどの国よりも必要。真珠湾。トンキン湾事件。

・米国はソ連の対日参戦を望み千島列島という餌を与えた。日本に放棄させる千島列島の定義を曖昧にしておけば、日・ソは永遠に争い続けるという英国の意見具申書の存在。ジョージケナンも同趣旨の利点を述べている。

・第二次大戦後CIAが存在意義を問われるたびに「日本を見ろ、これがCIAの成果だ」

・日本のどこに陰謀を真剣に学ぶところがあるか。日本に謀をかける国からすれば、日本人が陰謀論を一笑に付して、知識人がそうした戦略に考慮を払わないことほどありがたいことは無い。

・ソ連崩壊後、軍の規模を維持することを米国は選択。北朝鮮・イラク・イランの脅威など。産軍複合体の利益。チェイニー。

・冷戦後すぐ日本が米国にとっての最大の脅威。政官財のトライアングルが一番の強敵とみなされその解体を米国は目指す。自民党は親米で無いと出世できないし、財界もビジネスとして交渉できる。が唯一国益の観点を持ち出す官僚が強敵。米国は日本の官庁の影響力排除にのりだし、マスコミも官僚批判に同調。官僚批判は社会の正義となった。

・日米構造協議で米国は交渉によりトライアングルの解体を図るが大蔵省などが抵抗。政・財にくらべ、官界は協力の意図無しと判断。その後大蔵バッシングの高まり。

・多くの人は今日の外務省の状況を見て親米一辺倒とみているが、歴史を振り返るとそれは常態ではない。

・米国の世界戦略で、日本とドイツの米軍が戦略的に最も重要。ドイツが20数パーセントの貢献に対し、日本は米軍駐留に75%を負担。

・米国からすれば自衛隊の貢献は大きな利益。米国が日本防衛の義務があるのに日本は反対の義務は無く非対称だから日本はより大きい義務を負うべきとの議論は成立せず。日本が負い目を感じる必要は無い。

・とある会議での外務省の発言「そんなことをしても米国は喜ばない」に愕然。

・小池百合子の証言。細川首相は米国に武村官房長官を外せといわれ、実行。自民党の中には米国に嫌われたら総理になれないという認識がある。

・核という非人道的で強力な殺戮兵器使用を正当化するためには、敵が獣であることを示す必要。

・クラウゼビッツの戦争論。①敵に意志を押し通すためには敵を無力化する必要。②力の行使に制限は無い。極限まで達せざるを得ない。リデルハートはクラウゼビッツは無制限の人命損失を正当化すると批判。

・核兵器を有する国はそれを用いず無条件降伏をすることは無い。一方その生存が直接脅かされていると信じるとき以外は核兵器使用の危険は冒さない。無条件降伏を求めないことを明らかにし、どんな交渉の枠も生存の問題を含まないことが米国の仕事。とキッシンジャーは述べているが、対北朝鮮もそのようなアプローチを取るべき。

・爆撃機を撃墜できるのは最大でも30%。ミサイル撃墜がそれより高い可能性でできると思えない。ミサイル防衛が実質的に無力であることを認識しないとと間違った防衛の優先順位をつけてしまい、第二次大戦のときのフランスのマジノ線と一緒になる。ドイツがマジノを迂回した戦略に脆弱。

推薦図書
・considering a war with Iran
・核兵器と外交政策 キッシンジャー
・クラウゼヴィッツ、リデルハート、孫子の戦略論
・同盟変貌 春原剛
・友か敵か アマコスト
・指導者とは ニクソン
・第二次世界大戦 チャーチル
・キッシンジャー秘録 キッシンジャー
・秘密のファイル 春名幹男
・合衆国崩壊  クランシー
・寒い国から帰ってきたスパイ ル・カレ
・イコン フォーサイス
英語の敬語英語の敬語
(2005/04/07)
数佐 尚美

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著者も言うように日本人は英語はフランクでいいと勘違いしている傾向があり、英語圏の人に失礼だと思われルことが多い。この本はこうした傾向を少しは是正することに資するいい本かとおもう。

意味は分かるけどなかなか口からは出てこないのは以下のような文章。メモ。
I have to excuse myself. (席を外すとき)
Do you happen toー?(ひょっとしてーですか) (-だったりしますか)
Does it make sense?(おわかりいただけますか)
May I assume that-?(-とかんがえてよろしいでしょうか)
If you are confortable with- (-でよろしければ)
What date would suit you best?(一番ご都合のよろしい日はいつでしょうか)
Is it fair to say that-?(-とみてっよろしいでしょうか)
Where can I find -?(-はどこですか)
Is there any way-?(なんとかーできないでしょうか)
Is there any chance of-(-していただくわけにはいきませんか)
Could you spare me a few minutes?
I'd like to share with you - (-についてお話したいと思います)
i'll be calling you again soon
i'd love to. (是非そうさせていただきます)
I'm not in a position to-(私ではーいたしかねます)
You may have a point there(なるほど一理ありますね)
二十世紀日本の戦争 (文春新書)二十世紀日本の戦争 (文春新書)
(2000/07)
阿川 弘之中西 輝政

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・第一次大戦の大殺戮を経験し、第二次大戦で欧州は程ほどにしか戦っていない。フランスも簡単にドイツに降服。

・ロンドン海軍条約の比率はやむをえないものであったが、大正デモクラシーで民衆の政治発言力が高まっている中、国民を説得しようという姿勢に欠けた。原敬はそのような世論誘導ができたが、幣原は全くの官僚的対応。英米との協調外交を目指してもその基盤を自ら崩した。右翼の台頭を招く。国内の合意取り付けこそが政治の命ということが分かっていなかった。

・テロの恐怖で元老が軍部を抑えられなくなった。

・開戦前にばれても良い前提で米軍機を中国軍に見せかけて中国から日本本土爆撃計画を米政府は立てていた。

・開戦阻止をしても、天皇とその周辺は幽閉されていた。少なくともそのような恐怖を持って木戸幸一は当時仕事をしていた。

・大和出撃の前日は特攻なのでみんな酒を飲み、特に館長はみなに酒をつぎ返杯をもらうので泥酔。戦いでは二日酔いで玉が当たらず。
あの戦争になぜ負けたのか (文春新書)あの戦争になぜ負けたのか (文春新書)
(2006/05)
半藤 一利中西 輝政

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文芸春秋の戦争対談シリーズの一つ。シリーズの中では一番面子的にも良い配分で面白かった。
コミンテルンの影響、インテリジェンスの果たした役割など今後の更なる研究が待たれる。(まだ公開されていない史料もいくらでもあるので。)
後は、海軍の果たす役割に興味をもち始めた。


以下メモ。

・40年、国際情勢の表層だけを見ていれば三国同盟病むを無しという判断になる。5月からのドイツの電撃的な欧州での勝利。あまりの勝ちっぷりに世界史がかわる~勝ち馬に乗らなければとエリートが流れた。しかし9月にはバトルオブブリテンで英国空軍に叩きのめされる。

・日本の軍部は当時、中国戦線が長引くのはビルマからの英米の援しょうルートのせいと説明し、反英米感情が強まり。

・中国国民とは日中戦争はソ連が糸を引いていると考えていた。一番得をしたのはソ連。
陸軍内部にもコミンテルンとの関係者が多かったとされる。ゾルゲ事件。終戦期の近衛の上奏文(「特に憂慮すべきは陸軍内部の革新運動。満州事変からシナ事変、大東亜戦争は軍部内の意識手的計画」)。早期の戦争妥結のインセンティブは赤化革命の防止。

・東條の武藤章への不信はゾルゲ事件の関係。

・海軍は戦争は政治の延長と理解できず、日本外交を優位に進めるために海軍があることを認識せず。政治と一線を引いた純粋な人工的抽象的存在。テクノロジー先にありき。英国は貿易保護など実利の裏づけがあった海軍。結果、海軍と社会の断絶が拡大。

・日本のように海陸軍両方を強めようとした国は珍しい。

・補給を無視。44年以降150万から200万が補給線を絶たれたことにより死亡。餓死は全戦死者の70%

・アメリカは海軍のニミッツと陸軍のマッカーサーがもめても最後は大統領が決めれるが、日本は調整機能なし。陸と海を両方知るゼネラリストも存在せず。

・昭和天皇は各国の王朝が倒れる革命を何度も見てきた。この革命体験による内戦の恐怖が大きい。

・イギリスは軍令を王族が統制した。ビューリタン革命のときの悪夢。

・大元帥と天皇の人格を分けていた。陸軍も天皇自身も。

・昭和天皇の記憶のキャパシティの高さ。どの舞台がどこにいるかなど詳細に覚え、軍のごまかしを許さなかった。

・原敬内閣から5.15事件までの15年間は政友会と憲政会が相互に首相を出し、今の日本の政治レベルとは比べもにならないぐらい議会政治が高いレベルで機能していた。原敬が暗殺されなければ違ったものになっていたかもしれない。

・昭和初期の汚職ラッシュ、政治腐敗には男子普通選挙法が背景。二大政党制になったこともお互いが中傷を始めてスキャンダル合戦。結果政治への信頼が下がり昭和維新への期待。
→まさに今の日本の状況。

・議論のルールも無いから統帥権干犯で内閣を攻め、軍部にそんな議論が使えるのかと気付かせてしまう。

・戦争ほど新聞が儲かることはない。号外号外で大きな収入。埋める情報も無いから大本営の発表どおり。

・第一次大戦で英国はプロパガンダの重要性に築き、BBCのネットワーク作りに注力。

・潜水艦を大量に持っているのに、潜水艦参謀をおかず、成績順で低い人が潜水艦に送られたので輸送船攻撃等の有効活用できず。

・特攻という精神力の最大限、愛国心と抵抗を示したことは戦後日本の安全保障になっている。諸外国は特攻を知っているから冷戦期に日本に下手に手を出そうとは思えなかった。

・日本の組織の弱点は属人的な職人システム。素人にも作れる大量生産システムをつくらなかった。代替が聞いて持続可能なシステム。アメリカは能力の落ちる人がやっても機能するようなシステム。
→今の日本の組織にも当てはまる面あり。

・ミッドウェーの前に、シドニー、マダガスカル、カリフォルニアに攻撃を加えている。

・近代市民を無理やり徴兵し集めても侍にはできず、結局、万葉集的な叙情を持ち出し、「うみゆかば」的な古代の防人に回帰させるしかなかった。

・日本兵は一人当たり40キロという重装備。海没での死者は35万人。

・戦争前の日米交渉時、アメリカは「マジック」で日本の外交電報を読んでいたが、日本もアメリカの電報を解読しハル国務長官の出方を呼んでいた。ルーズベルトの陰謀というレベルではなく、戦争は日本の選択。





昭和陸海軍の失敗―彼らはなぜ国家を破滅の淵に追いやったのか (文春新書)昭和陸海軍の失敗―彼らはなぜ国家を破滅の淵に追いやったのか (文春新書)
(2007/12)
半藤 一利秦 郁彦

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文芸春秋の昭和の大戦に関する(恒例の)対談をまとめたもの。

・一夕会の主力は戦争を知らない世代。結果として過度の功名心にとらわれていた。

・陸大は戦略やジェネラリストの指揮官としてのあり方を教えず、主に戦術・参謀レベルの教育を行った。東條英機らは国際法を知らず不戦条約なども知らなかった。前例を踏襲することしか教育されなかった。小役人教育。

・将帥の教育と参謀の教育はそもそも違うはず。劉備と諸葛亮。

・教育機関としてできるものは参謀レベルまででその後の教育は自分でするほか無い。

・参謀と指揮官の区別が曖昧で、参謀が指揮官気取りで暴走。

・兵站軽視。

・石原は外の人脈を広げたが、軍内部では孤独だった。

・現場の司令官には優秀な人が多かったが、中央で出世できなかった。栗林、今村、本間。

・戦後韓国の金ジョンピル元首相と今村が文芸春秋で対談したが、金は大感激。朴チョンヒ大統領も今村を尊敬。居眠りをしていても全て聞いていた。軍人とは思えない人格者。読書家。

・瀬島など作戦部は陸大の優等生がいる奥の院。余り余計なことを言わないで力のある人に乗っかる。しかも蛸壺。他の人たちから隔離され、何を言われても自分が正しいから聞く耳を持たない。

・米英と違い日本は失敗した将官を罷免しない。仲間内でも失敗をかばいあう。アメリカは太平洋戦争中26人の指揮官を首もしくは降格。

・イギリスは首相を忠臣に少数が泊り込んで戦争指導体制。日本は、陸軍省、海軍省、参謀本部、軍令本部、宮中、内閣と権力が分散し、挙句には作戦課が過大な権力

・昭和の政治家は普通選挙法の導入もあり大衆にこびるようになり軍を党勢拡大のために利用しようとし、それを軍人も軽蔑。それから軍が政治に介入。

・条約派と艦隊派の対立で、浜口政権を妥当すべく、政友会は統帥権干犯を主張。政治家が党略のために軍事問題を利用。

・艦長は船と運命をともにすべしとの開戦当初の考えのために、駆逐艦長の中佐クラスの人材が不足。

・補給船を叩くよりも戦艦を叩くことばかりを考えていた。潜水艦の使い方を分かっていない。

・6月のミッドウェー海戦の前の5月に平時の通り人事異動。流れを全く分かってない指揮官達が作戦に従事させられる。ミッドウェーはミスさえしなければ日本が勝率9割で勝てた戦い。

・日本は戦艦や魚雷なども職人的な精巧さ。しかし米国は単純なものを大量に作ることに長けていた。

・陸軍は大戦中60万人が餓死。海軍は栄養豊富。海軍は陸軍にも物資を回さなかった。

・陸軍は徴兵制によって広く募集したため、民主主義的な性格。海軍は近代テクノロージーを駆使し、階級性に基づく貴族主義的なカルチャー。






昭和の名将と愚将 (文春新書 618)昭和の名将と愚将 (文春新書 618)
(2008/02/18)
半藤 一利

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太平洋戦争・大東亜戦争の勉強第一弾。

この本も含めていくつか読んだが、決定的な弱点は、成績・年次順送りの硬直的な人事システム。信賞必罰も無く、失敗したものが何度も重要な局面に復活。適任の場所への人事のなさ。戦時でも平時と同じ人事システム。
いくつかの本読むことで大分当時の陸海軍のトップの人たちの役割・人柄がわかるようになった。(主に半藤・保坂史観が多いのだが。)


・南雲は水雷畑。参謀長の草鹿は飛行性の大家。それがミッドウェーで大敗北。

・太平洋戦争だ大臣や参謀総長をやった世代は、日露戦争は兵站の手伝い程度、第一次世界大戦も留学。満州事変の頃は省部の幕僚。実戦経験なし。

・陸軍内部の出世は当初は長州閥。その後のものさしが成績市場主義。

・昭和14年に米内海相、山本次官、井上軍務局長が日独伊同名に反対。

・武藤章は軍務局長時代に政治のあらゆる肩書きをもち口を挟んだ。優秀なテクノクラートと見られていた。

・海軍では中央や参謀で作戦に従事した人間は第一線にだして死に場所を与える。大和の伊藤。実態はほとんど特攻。南雲のサイパン島守備長官としての戦死。

・今村均のすぐれた占領地行政。

・シンガポール占領後、辻政信の指示で、抗日義勇軍と関係の無い民間人も含め、顔を見て怪しいやつは射殺。日本軍はその数6千人、華僑は4万人と主張。

・辻はその後ビルマで人肉食を強要。戦後は連合国の追及を恐れ逃避行。講和後に衆議院議員当選。

・盧溝橋で停戦協定ができたのに牟田口が突撃を命じた。出世・功の焦りがあった。

・瀬島龍一は茶坊主。情報握りつぶしレイテ作戦立案。戦後も自分に不利な史実を改ざん・偽証。
至高の決断―依田、山下、井山の頭脳 (マイコミ囲碁ブックス)至高の決断―依田、山下、井山の頭脳 (マイコミ囲碁ブックス)
(2007/03)
依田 紀基井山 裕太

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同じ局面を示し、3人のプロ棋士が次の一手をどこに打つかという形式の本。
同じような趣旨の本は将棋でもある。(羽生、森内、渡辺だったと記憶)
囲碁は、依田紀基 山下敬吾 井山裕太。日本人トップクラスの3人である。

特に井山は昨年若干19歳で名人戦挑戦、おしくも3勝4敗で張五冠(現時点)にやぶれた。
今年も名人戦リーグ全勝でトップを走っており、挑戦する可能性は高い。
いまは、囲碁ファンしかその名を知らぬが、今年中に世間的に有名になる可能性は大きくあるので囲碁ファンならずとも覚えておいて欲しい若手。
私が応援する棋士の一人。

さて、この本の中身だが非常に面白い。

おもに、布石の段階での次の一手だが、プロ棋士がどのような考えで手を選んでいるかが興味深い。
しかも、唯一解というのはなく、ほとんどの場合で、次の一手が異なるのも面白い。いわゆる棋風の差というものだが、純粋に面白いなあと思う。
山下敬吾は、やはりよく言われるように厚み派で戦いを好む。依田はバランス派か。井山もバランス派だとはおもうが、若々しい。

あとは、国際戦でよくうたれる定石における日本人と韓国・中国人の考え方の違いなども垣間見ることができ、これもまた興味深かった。

ある程度囲碁が打てるようになれば、誰でも楽しめる本だろう。
リーダー・パワーリーダー・パワー
(2008/12/17)
ジョセフ S ナイ

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著者はソフトパワーで有名なアメリカの国際政治学者。
駐日大使もとりざたされたが、最近違う人が任命されることが決定。
国際政治や歴史を学んだ人が書くリーダーシップ論というのは珍しいのでよんでみた。精読していないけど、めちゃくちゃいい本ではない。悪い本でもないが。ビジネス界の人が書くものより視点が面白いというのはある。


・イベント利用型リーダーとイベント作成型(変革型)リーダー

・生まれつきの才は、リーダーの成功を大きく左右するものではない。リーダーシップは学習できるものであり、状況により必要とされる能力は異なる。フォロワーも左右。状況に応じ、力の資源やスタイルをどのように組み合わせるか。

・警察にもソフトパワーは必要。地域の人からの協力が大事。
→日本の交番制度。

・ビンラディン「強い馬と弱い馬を見ると人は生まれつき強い馬を好む」

・マキャベリ「君主は愛されるより恐れられるべき。しかし慎重に憎悪を避けるべき」
→ハードパワーとソフトパワー。

・イギリスと日本は伝統的にカリスマを信用しない傾向。

・取引型スタイル(ハードパワー依存)と鼓舞型スタイル(ソフトパワー)

・重要なスキル:(ソフトパワー)EQ=人間関係、感情面の自己コントロール、コミュニケーション=説得力ある言葉、、ビジョン=フォロワーの引き寄せ、(ハードパワー)組織のスキル=報酬と情報システムの運営、マキャベリズムの政治スタイル=交渉能力、他人の威嚇。知ってるふり、高い椅子で見下す、沈黙、
→吉田茂の葉巻もそういうこと。←高坂正堯ガ指摘。

・脅しばかりが使われる職場は効率低下する。

・ブッシュは皮肉にもMBAを持った最初の大統領。

・ある状況では成功しながら、別の状況では失敗するリーダーの存在。コースの状況に応じて適した馬がいる。

・状況把握の知性に含まれる直感的スキル:①文化の状況、②力の資源の分散の程度、③フォロワーのニーズ、④時間の切迫性、⑤情報の流れ。
①異なる国・社会によって組織文化は違う。必要とされるリーダーシップも違う。ガンジーとキング牧師の違い。文化はゆっくりであるが変化する。日本の軍国主義と戦後の経済主義。国のレベルで考えるとリーダーシップの最適条件を決定するのはその国の文化条件と400近い論文を包括的に検証した研究が結論。
②集団内の力の分散
③フォロワーのニーズを把握する能力
④危機の時間的切迫性
⑤効果的な情報システムの監視と設計


抜擢される人の人脈力  早回しで成長する人のセオリー抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー
(2008/12/12)
岡島悦子

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最近アマゾンで評価の高い自己啓発本をよんでいるのだが、どれも何が良いのかようわからん。

といいつつメモ。

・自分にタグをつける(訴求ポイント)
・コンテンツをつくる(実績例)
・中もを広げる
・自分情報を流通させる
・チャンスを積極的に取りに行く

・人脈は仕事を楽しみ自分らしく生きるために必要。

・いつの間にかタグが一人歩きする。

・代替可能な仕事はマニュアル化されるので、自分でしかできない仕事をする。

・自分の特徴や売りを言語化する。

・過不足無く品よく主張する。

・最初は相手の期待値に答え、結果を出し信頼を得ることが大事。

・その都度仕事に全力を出し、仕事の心配昨日を高める。考える能力、書類作成能力など。100%の能力を使うこと。

・少人数の勉強会の大切さ。4-8人。

・異なるタイプの人の頭を借りる。

・インプットよりもアウトプットが大きくなったら人脈レイヤーを上げる


◇ the get up kidsの復活
どうやら再結成したらしい。ライブいきたし。
the get up kids action and action



復活後のライブ holiday
〈学問〉の取扱説明書〈学問〉の取扱説明書
(2009/05/26)
仲正昌樹

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ちょろっと立ち読みしかしてないんだけど、最後の索引のところで、田母神と彼だけ苗字だけになってたのがワロタ。他はみんな名前も書いてあるのに。

わざとなのか、単なる間違いか。
個人的には苗字だけで十分だとは思うが。なんか田母神という三文字だけが日本社会で一人歩きしている気もするし。
日米同盟の静かなる危機日米同盟の静かなる危機
(2008/11)
ケント・E・カルダー

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日米同盟はもっと意識して強化を図らないとだめだよね。そのときのモデルは日英同盟じゃないよね。という本。

・これまでの日米首脳会談はきわめてスムーズに行われ、日米の担当者はそれを誇っていいが、タイタニック号のデッキの上のテーブルをきれいに並べているようなもの。

・1970年代まで、日系アメリカ人がアジア系のマジョリティだが、最近韓国・中国系が増えており、選挙区によっては政治家が歴史問題を中国・韓国よりに打ち出さざるを得なくなっている。

・ワシントンでも日本専門家が減りつつある。

・アメリカの学問研究の趨勢が地域研究から日本に密着した知識をはぐくむことに重きを得ない抽象的な比較研究に向かっている。

・アメリカが南ベトナムを失った場合への日本への影響を尋ねたら、自民党幹事長だった福田赳夫は国内が左傾化し、米軍基地への風当たりが強まると考えた。要するに地政学的脅威より国内政変をおそれていた。

WTOの誕生は、二国間の交渉を多国間のパネルに持ち込み、合意の調停者だった経済産業省のような省庁の主導権を貿易相手国を細かく監視するような立場に低下させた。

・日英同盟は日米同盟と根本から異なる。インテリジェンス、法整備、エスニシティ、日本の政策過程、官僚の透明性、戦友としての経験の無さ。

日米同盟を強化する一つのポイントは、防衛産業における共同生産。
ラクをしないと成果は出ないラクをしないと成果は出ない
(2008/05/23)
日垣 隆

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あんまりためにならんかった。とりあえずメモ。

・気になったものはまず買ってみる。体験しないと分からないものが多い。

・情報収集にのめりこまない。情報とは出会うもの。重要なニュースは色々な場で人が教えてくれる。

・何をするかよりも、何をしないかを明確にする。そうじゃないと仕事が増える。

・コーチはするものではなく、ユウシュウなコーチに短期間つく。人にコーチする状況は極力避けた方が良い。

・アウトプットしないことはインプットしない。効率よく働く。

・必要でないことは極力やらない。

・子供ができたら子育ては溜めの時間。20年後にブレイクする準備をする。

・子供部屋より書斎を優先するのが家族のためになる。
→書斎は欲しいがそんな部屋ない。


なぜ世界は不況に陥ったのか 集中講義・金融危機と経済学なぜ世界は不況に陥ったのか 集中講義・金融危機と経済学
(2009/02/19)
池尾 和人池田 信夫

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対談方式で非常に分かりやすかった。池尾和教授は、サブプライム危機後、分かりやすい説明を新聞等で行っており注目しているが、ここでもさすがの冴えを見せている。

<アメリカ金融危機>
・金余りで投資をしたいと野需要が高まり、投資銀行が、さぶぷラインローンをもっと供給しろとモーゲージバンカーに圧力をかけ、いい加減な融資が増えた。それがちょっとやばくなると売れなくなり、在庫が評価損をもたらし、オリジネーターが破綻し始めた。

・RMBSのシニア部分は機関投資家が購入、エクイティはヘッジファンド、うれないメザニンはかき集めてCDO化。さらにCDOのメザニンをあつめたCDOスクエアードという商品もあった。CDOを買っていたのが、MMFとか、大手金融機関がスポンサーになって作ったSIV。

・日本の場合は貸しての銀行と借り手の距離が短かったが、アメリカの場合は非常に長いので、資産価値をトレースしきれず、格付けを信頼するしかない。トレーサビリティが確保できないので適正価格がつかないという問題が本質。

・CDSは本来倒産保険だから、事故に備えて責任準備金の形でもらったプレミアムのかなりの部分は積み立てる必要。それをせずに全部収入と計上していた。

・自己資本ではなく借入金で投資すればレバレッジを高められる。投資銀行のビジネス。

・最近まで財政政策を支持する経済学者はいなかったのに、最近増えているのは、今回の景気後退が大規模で、金融政策の硬化性が乏しいこと。財政政策が有効であるとの新たな証拠があるわけではないが、それに頼らざるを得ない。

<世界的不均衡の拡大>
・欧米では石油ショック後ケインズ政策を取ったがスタグフレーションを経験。それでひどい目にあったという記憶がある。日本はオイルショックを上手く乗り切り、ケインズ政策は80年代後半に実施。

・インバランスについて、日本ではアメリカの消費過剰が原因説、米では日本などは自分の貯蓄を投資に使いきれていないという、投資機会が乏しい国で米が投資機会を提供しなければ困るじゃないかとの説。

・米は浪費好きではなく、医療費が世界一高く家計支出の2割超。都市部では家賃も非常に高く、家計支出の25%。自動車がないと生活できないので、運輸交通費が12%このような固定費だけで60%。浪費癖の問題ではない。

・ITバブルが崩壊したときに、グリーンスパンは日本の状況を見て、デフレのテールリスクを過度に警戒。テイラールールを越えた金融緩和を行った

<金融技術革新の展開>
・80年代までは世界的に資金不足が基調の経済構造。不足しがちな資金の配分を行うのが金融業。
その後の金融革新。

・CCP=証券書取引と、店頭取引=相対取引=OTC オーバーザカウンター
相対でやると色々カスタマイズした取引ができるが、カウンターパーティリスクがある。外為取引は基本的に相対。

・70年代に流行ったコングロマリット化。米衰退の原因に。その後、非効率部門を解体、切り売りするときのLBOや新興企業の資金調達が盛んに。それで、米国産業は復活。そのためのファンディングの手段としてジャンクボンドがでてくる。マイケル・ミルケン

・投資銀行は企業の財務上の問題解決を手助けするのが本来の役割だが、近年レバレッジをかけて自己投資するようになった。前者の役割は以前必要。

・昔は歪みを利用して儲けるシステム。歪みは時間がたつと均整されるから、自ら歪みを作り出すようになった。複雑な商品を作って顧客を騙すシステム。

<金融危機発現のメカニズム>
・銀行はある意味脆弱な財務構造でビジネス。短期で返す必要のある当座預金などの金を元に長期投資をしており、取り付け騒ぎが起こったら危険。

・テールリスク、エージェンシー問題

<金融危機と経済政策>
・家格硬直性はケインズが捕らえるような不況の原因ではなく、何らかの原因による市場の失敗による結果。その原因を解決せずに需要を増やそうとしても対処療法。

・FEDビューとBISビュー。FEDのやり方は、あまりオーソドックスではなく、日銀のやり方はかなりオーソドックス。

・自然失業率をまずは捉える必要。

・投資機会を以下に増やすかを考えることが重要。構造改革。例えば日本の医療制度は計画経済下にあり、医師が足りていない。適切な医療サービスが供給されていない。経済の実力(水準)を向上させるのは構造改革。

・生産性を挙げなければ経済は停滞するが、日本の失われた10年は週休二日導入による、勤労時間低下とTFPの低下いう説あり。TFPの低下は、90年代の裁量的財政政策により建設業等の生産性の低い産業のウェイトが高まったこと。また、追い貸しの結果、本来は淘汰されるべき産業が生き延びた。

・バブルにより上方に乖離した経済が本来の成長路線に戻って、製作の失敗とあいまって、成長経路そのものが下方屈折したという説。

・バブルがおこるにはもっともらしいストーリが必要。新時代シンドローム、ITなど。日本も、ジャパンアズナンバーワンで成長し続けると考えられた。

・バブルという言葉が新聞上にでてくるのは91年から。

・過剰雇用、過剰設備、過剰債務の解消は01年くらいに実現。


・日銀レビューシリーズ
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