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スピリチュアル妄想録
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幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉 (岩波新書)幕末・維新―シリーズ日本近現代史〈1〉 (岩波新書)
(2006/11)
井上 勝生

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岩波新書で刊行中のシリーズ日本近現代史の一冊目。
岩波の歴史本ということでどうせ単純なマルクス史観的進歩史観だろうとあまり期待していなかったが、その逆で非常に面白かった。グッジョブ!

著者の基本スタンスとしては、幕末・維新期の歴史がこれまでは最終的な勝者である薩長の視点から描かれすぎていることへの是正を図るというもの。個人的には新選組関連を最近よく読むこともあり、著者のスタンスには共感を覚える。

幕末の幕府官僚が、いかに国際情勢に通じており、列強からの開国要求にも筋の通った外交を行ったかということも描かれていて興味深い。
また、幕末の人々に対する外国人が持った感想が総じて侮蔑的なものでもなく、むしろ社会・経済水準の高さに一定の尊敬の念も持っていたことが示されている。
さらに、イギリスなどは軍事的に日本を制圧する意思や能力は持っておらず、幕末日本に対する西欧からの強い安全保障に関わる圧力があったというこれまでの歴史観はちゃんと精査されるべきと述べている点も興味あり。

幕末という時代には立派な人々も多く出たし、海外からも多くを学んでいたし、しっかりした社会的・文化的水準を保っていた。暗い江戸時代から明治維新によって明るい未来が開けたという単純なイメージは間違っていて、明治に西欧社会に追いつけ追い越せということができたのも江戸時代の土台があってこそだと思う。そもそも明治国家自体が江戸時代の高い教育水準なくしてはできないものであった。
大河ドラマ「篤姫」で描かれるような一ツ橋派と紀伊派の権力闘争などが描かれていてそれも面白かった。この本によると最終的には徳川斉昭も一定の開国はやむなしということだったのだが、現実を知らない孝明天皇と一部の公家が反対した。
薩長による維新(クーデター)も、公家の外国嫌いを大いに利用した感はあると思うが、もし、一橋派のような、日本の立場を重視しつつも現実的かつ開明的な雄藩大名が幕府の実権を握って、公武合体的をベースに日本と外国の関係をうまくもっていっていたら、今の日本はどんな感じになっていたかと夢想すると面白い。
なんとなく、昭和前半の不幸な時代は、薩長の下品な下級武士たち(例えば山縣有朋の陸軍など)による明治維新があったからこそ作られた部分が多く、礼儀を知っていたまともな武士達がちゃんと実権を握っていれば、あのような戦争も起こしてなかったかもしれないし、今の腑抜けた日本も少しは違った形になっていたのではないか。

ということで、士道というものは、もう一度復権されるべきではないかと思うのである。


おまけ:
ビョーク 「hyper ballad」 live

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