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スピリチュアル妄想録
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アメリカの経済政策―強さは持続できるのか (中公新書 1932)アメリカの経済政策―強さは持続できるのか (中公新書 1932)
(2008/02)
中尾 武彦

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著者は、国際畑の財務官僚で在ワシントン大使館の公使を勤めているときにこの本を書いた。
時期的には今年の初めに書き終えているので、一応サブプライム危機がはじまって数ヶ月はフォローされている。
以下、気になった点をメモ。

・米国経常収支赤字に対する味方については、ほぼグリーンスパン前FRB議長と同じ。すなわち、①対外債務は対外債権を上回っているが、前者の運用利率の方が高いのでどうにか黒字、②経常赤字については新興国の貯蓄が増えていること、ホームカントリーバイアスが弱まっていることが大きい。また、それがアジア通貨危機以降であることは、竹森俊平の「世界を変えた金融危機」のおける分析とも同じ。

・経常収支に為替レートが影響を与えないという議論は正確ではない。自国通貨が切りあがり輸出が減ると、生産額は減少し、所得額の減少分だけ貯蓄も減少し、経常収支は減少する。

・アメリカでは国民皆保険ではないため、人口の15%が保健の適用を受けていない。初等・中等教育も現在は、地方政府(郡・市レベル)での責任になっており、格差がある。

・グリーンスパンの日本のバブル後の日銀対応の失敗は、バブル崩壊後に、バブル再燃を恐れ果断な金融緩和を行わなかったこと。

・資産価格の変動に対し、中央銀行がどのような対応をするかについての標準的な考え方は、それが将来の経済活動やインフレ動向kに影響を及ぼすと考えるのであれば、対応するが、資産価格は金融政策の直接的な目標とはしないというもの。

・白川日銀総裁(この本が書かれたときは京大教授)は、グリーンスパンがバブル後の事後対応型であるのに対し、欧州の中央銀行は資産価格を見つつの「事前対応型」と指摘している。グリーンスパンが資産価格の上昇にもかかわらず、緩和政策を採り続けたことが、サブプライム危機以降批判されている中、白川氏の指摘は興味深い。

・日本は国民皆保険のもと、国が独占的な保険者としての力を発揮して医療費の抑制に努めているが、米国はそれが出来ない。

・高額の医療費は、従業員のために保険に入る民間企業にもコストを課している。自動車メーカーの日本メーカーなどと比したときの競争上の不利な点の一つは、医療保険、年金コストといわれている。

・インフレターゲットに対しては、FRB設置法の最大の雇用、安定的な価格という目標のうち後者しか考えていないのではないかとの批判あり。それにたいし、バーナンキ議長はインタゲと雇用の拡大は両立するとの考え。

・中央銀行がコア(エネルギーや食料など短期的に変動しやすいものを除いた物価)を見るか、ヘッドライン(全体の物価)を見るかについては、最近の原油・食料品の価格高騰の中で、それらは中長期で構造的なものであるとの判断から、ヘッドラインを目標とすべきという議論が強まってきた。人々のインフレ期待につながる体感物価もやはりヘッドラインとの議論あり。欧州の中銀はもともとヘッドライン重視。バーナンキ議長も家計や企業はヘッドラインを重視するとして長期的にはヘッドラインの指標のほうが適切と述べており、新政策と思われる。

・米国空母の数は12。英が3、仏が2、露と印が1、中・日は0。

米国の対内直接投資規制は、エクソン・フロリオ条項に基づく。規制の対象範囲はあらかじめ限定されておらず、通報が当事者の任意であるのに、通報が無ければ取引終了後3年間は審査可能であり、国際的にも批判をも招いている。最近、CNOOC・ユノカルやドバイポートの件をきっかけに、更に規制は強化された。
→日本のTCIの例とか、羽田空港の例とかを批判する資格はあるのか。(そういえばアメリカからの批判ってあまり聞かないな。TCIもそうだし、なんとなくイギリスからが多いか。エコノミストとか。)



おまけ
ゆらゆら帝国のフジロックでのライブ。「ズックにロック」
日本最強のスリーピースバンドの一つだろう。
マイPCではベース音が聞き取りづらいのが難。
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