On the Road

スピリチュアル妄想録
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◇「中国問題の内幕」
「中国問題」の内幕 (ちくま新書 706)「中国問題」の内幕 (ちくま新書 706)
(2008/02)
清水 美和

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「中国が反日を捨てる日」に続き読了。

主に中南海の権力闘争と国内の矛盾に焦点を当てた本。
上海グループ、共青団系、太子党系に分けて権力闘争を論じるのはもはや日本の新聞等ではお決まりとなっているが、新聞等をさらに深掘りした分析が読める。
さらには、人民解放軍の影響力の大きさとそれへの対応に苦慮する上層部、二級市民として虐げられる農民と三農問題をなんとか暴発しないよう管理しようとする共産党というように、重要な切り口を提示している。
これが新書で読めるのはなかなかお徳だと思う。

ただ、上海グループ、共青団、太子党はそれぞれ、それぞれに属する人々の属性を表しているに過ぎず、それぞれにどれだけ政策的な同一性を持っているのかよく分からん。
上海グループは利権を、共青団は出身母体を、太子党は親を共通の紐帯としているのだろうが、政策面でのつながりではなくそれぞれのグループが例えば対日政策について一貫した政策を持っているとはいいがたい。だから、どのグループが実権を握ろうと日中関係の分析モデルとしてはあまり使いにくい。
例えば胡錦濤は共青団の元締めだが、かれが対日重視派だからといって、共青団系がそうとも限らない。江沢民は強烈な反日だったが、自身の体験によるものが大きく、グループは異なれど彼が後ろ盾となっていて胡の後継争い第一人者の習近平などは、「日本は大好き」と公言している。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080326/chn0803262016008-n1.htm

昨年10月の中国共産党大会で政治局常務委員に選出され、次世代最高指導者に大きく近づいた習近平国家副主席(54)は、26日の一部日本メディアとの初会見で、地方勤務時代からの日本とのかかわりを織り交ぜて「日本は大好き」と笑顔で語った。

 福建省で仕事をしていたときは「沖縄と長崎」、浙江省では「福井、静岡、栃木」と、スラスラと姉妹都市の県名を挙げて友好活動に取り組んできたことを自己紹介。とりわけ浙江省時代には姉妹都市との記念イベントの準備までしたのに、上海市党委員会書記に異動となり自身の訪日が実現しなかったことを残念がった。

 会見では、担当の五輪はもちろんのこと、台湾問題、日中関係の原則についてよどみなく答えた。54歳の若さ。次のステップに向けた貫録すら感じさせた。父親は故習仲勲元副首相



というわけで、日中関係に関心を持つもの―それは中国に関心を持つほとんどの日本人が当てはまると思うが―にも役立つような分析の視角が必要かと思う。例えば、外交問題に対する考え方(米国重視、日本重視、アジア重視とか、反覇権主義、国連中心主義、国際協調主義、とか)そういった考えで分類している論考を見たい。

以上の不満はあれど、この本の内容は素晴らしいと思う。



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