On the Road

スピリチュアル妄想録
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◇「新選組」 大石学
新選組―「最後の武士」の実像 (中公新書)新選組―「最後の武士」の実像 (中公新書)
(2004/11)
大石 学

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これは素晴らしい本。新選組の本当の姿を忠実に描こうとしている。
新選組についての事実を知りたいと思う人がまず最初に読むべき本だと思うし、これさえ読めば、大体のことは分かる。
あとこれ以上に読み進めたいファンは、この本に書いてある原典を当たっていけばいいのだと思う。基本になりうる概説本。

特によいと思われるのは、注釈をちゃんと詳細につけているところ。また、本文中でもいくつかの解釈を紹介するなど、良心的。たとえば、池田屋事件についても複数の史料を紹介している。
というわけで巷間流布している新選組についてのエピソードのうち、何が本当で、何がフィクションかということがよく分かる。
また、当時の幕末の政治社会史もきちんと押さえた上で叙述がなされているので、歴史の中での新選組の位置づけがよく分かる。

以前読んだ同名の「新選組」岩波書店 松浦玲著とは雲泥の差。
使っている史料が松浦本と違い、包括的。史料の読み方もオーソドックスで、例えば、松浦本で近藤が天狗になっているという土方らの訴えを、天狗=水戸天狗党=芹沢鴨一派と捉えるような、はてな?というような一方的な解釈が無い。(なお、この大石本では松浦の解釈にも一応触れている。)

また、松浦が一度近藤が思想的展開を見せたという説を取っているのに対し(これも松浦本では尽忠報国=尊王攘夷というこじつけっぽい議論を展開しており説得力が感じられなかった。)、大石は、新選組は一貫して、尊皇攘夷を唱えつつも幕府権力の強化を元に朝廷と幕府を一体化させ、政局を安定させる公武合体派であったと論じている。
まあ、それがまっとうな解釈であろう。

私にとって初めて知った事実で面白いと思ったエピソードは、土方が奥羽越列藩同盟の総督(将軍)に榎本武揚らの推挙でなりかけたこと。ここでの将軍とは、軍事部門のトップということだとは思うが、実現していたら面白かったと思う。

あと、調べたいと思ったのは、幕末の幕府の仕組み。いまいちよく分かっていない。

ちなみに筆者の大石学さんは東京学芸大学の日本近世史の教授。大河ドラマ新選組!の時代考証を担当され篤姫でも時代考証をやっているらしい。


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