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スピリチュアル妄想録
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東條英機と天皇の時代 (ちくま文庫)東條英機と天皇の時代 (ちくま文庫)
(2005/11)
保阪 正康

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単行本はもともと上下巻の大部なもの。文庫でも700ページ弱と読み応えあり。
非常におもしろく、長いのも苦にならなかった。
人間東条英機というものが良く浮き彫りにされており、その時代の雰囲気も良く分かる。

「天皇の時代」としている割には天皇の記述はそんなにない。

保坂正康の本は初めて読んだが、いろいろな史料に基づき、さらにインタビューも多く行っておりまじめな歴史家と感じた。東條に対する批判には若干フェアじゃないと感じた箇所もあったが、総じてバランスが取れていた。

この時代について(別にこの時代に限らないが)知らないことが多いことを実感。近代史への勉強意欲が非常にわいてきた。

この本で一番面白かった箇所は、日米交渉の時期の交渉経緯や大本営会議での各人の振る舞いなど。

メモ
・軍令と軍政の分離。

・高い事務能力を持つ有能な軍官僚。メモ魔。役人的。気遣いはぴか一。迅速な決断を尊ぶ。形式主義。忠臣と天皇の信頼。暗記力。金銭には淡白、執念深い復讐心と報復。憲兵の利用。チャンドラボースの熱意に打たれる。精神論。

・統帥権の独立、統帥権干犯、2.26後の軍部大臣現役武官制の復活

・朝夕の軍人勅諭の復唱

・満州参謀長と石原参謀副長

・陸軍大臣ー陸軍次官ー軍務局長  参謀総長ー参謀次長

・大臣は次官の延長。総理大臣も権力なし。天皇も君臨すれども統治せず。責任不在

・御前会議ー大本営政策連絡会議(首相、外相、陸相、海相、参謀長、軍令総長)力を有していたのは、特に陸の統帥部。松岡外相はあくの強いキャラで振り回す。皆、敬遠するももてあます。日米交渉の日米了解安に基づく交渉を妨げた松岡。松岡に悟られぬよう近衛2次内閣は総辞職。

・日米交渉ではシナ撤兵が最大のネック。

・東條も首相になってからは真剣に譲歩・日米和解を模索。←天皇の聖慮に基づいたもの。張るノートは全てを語和算にする絶対に呑めない要求→皆が戦争やむを得ずに。

・結局9月の御前会議の決定を天皇の意向どおりに白紙還元できず、上奏の際に涙。

・戦争に入る全ての手続きを終えた12月6日の夜。東條は自室で泣いた。「カツと二人の娘は隣室からの泣き声を聞いた。押し殺していた声が徐々に高まり、号泣にかわった。(略)寝室を覗いた。そこには今まで見たことのない夫の姿があった。夫は布団に正座して泣いていた。(略)涙をぬぐおうともせずないていた(略)」

・真珠湾の前に開戦通知が送れたことを知らなかった。

・緒戦は優勢。香港、フィリピン、マレー、ボルネオ、グアム。42年1月4日マニラ占領。2月15日シンガポール占領、42年6月のミッドウェーで大損害。空母四隻喪失。42年8月のガダルカナル戦。泥沼化し12月に撤退。戦死者2万、このうち1万五千人戦病死。43年4月山本五十六元帥が撃墜死。43年9月イタリアの無条件降伏。44年2月トラック島。3月インパール作戦。6月サイパン陥落。国内の反東條の盛り上がり。7月東條退陣。

・武官が責任者の占領地行政。東郷外相は文官支配を求めたが失敗。軍部主導で大東亜省設置。

・陸相と参謀総長をかねるという前例無しの行動。
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