On the Road

スピリチュアル妄想録
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悪人悪人
(2007/04/06)
吉田 修一

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浅田彰が賞賛したように、評価が高かったので読んでみた。

今まで、読んだ小説で一番良かった。

というのも、わけの分からん体験をしてしまったからだ。
いままで、小説を読んで泣いたというのは記憶にない。
が、この小説の最後の2行を読んだとき、恥ずかしながら急に涙があふれてきた。全く、泣くつもりがなかったので、いまいち自分の感情が分からず、え?これ何?と思っていたら自然に涙が流れていた。
あとで、何回かその2行を読み返したが、そのたびに涙がとまらなかった。

こんな体験は始めてだ。
そういう経験をしたから、この小説はすごいのだろうと思う。

とりあえず、読んでいるとページをめくる手が止まらない。そして、中盤以降、どうしようもなく悲しい気持ちになる。最後若干救われる面もあるが、最後の最後でどうしようもなく涙が出てきた。

実は、最後の最後まで、小説としては中の上か、上の下だと思ってた。最後で一気に来る。


著者については、芥川賞受賞作の「パークライフ」を読んだことがあったが、クソという印象しかなかった。(本当にだめな作品だった。)今回これを読んで評価は全く変わった。
あと、スタイルとしてはノンフィクションぽさも取り入れていて、宮部みゆきの「理由」も想起した。(「理由」もそれなりにおもしろい。まさに中の上の作品。)

一応公式サイトもあるようなので、紹介
http://publications.asahi.com/akunin/

朝日新聞に連載されていたみたい。連載小説でここまでのクオリティはすごいんじゃないでしょうか。



○最近買ったCD
イン・ヤ・メロウ・トーン2イン・ヤ・メロウ・トーン2
(2008/10/08)
オムニバスソウリューション

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良い。
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走ることについて語るときに僕の語ること走ることについて語るときに僕の語ること
(2007/10/12)
村上 春樹

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タイトルはあれだけど、まあ面白く読めた。走ることについてのエッセイだが、走ること自体が孤独且つ内省的な行為なので、この本自体も結構村上春樹がどういう人かというのを掘り下げた本になっている。意外にお茶目な人かも。また、文章も全体的にリズムがあって、なんとなく走ることと書くことの相関性が良く分かる。

昨年は駅伝にでるなど私もよく走ってたが、最近あまり走っていない。これを読むと走りたくなってきた。

走ることって、村上氏もいうように、健康面でも、精神面でもなんか変わる気がするのだ。粘り強さとか、性急さを諌める心とか、そういうものが身につく気がする。

あと、村上氏の文章を読んで気付いたのは、実際にはいるのかもしれないけど、子どもの不在。そういえば、彼の小説にも「子ども」というのは結構欠落しているのではないかという気がした。それこそ「神の子たちはみな踊る」というタイトルの本もあるけれども。


○パウエルが旭日大綬章?
日経ビジネスのとある記事でコリンパウエルが旭日大綬章を受賞しているとの記事があった。

ほんまかい?とおもって、根拠を探したが、パウエルが受賞したと書いてあるのは、ウィキペディアしか見つからなかった。確かにウィキペディアのパウエルのページにはそう書いてある。

しかし、常識的に考えて、イラク戦争の評価がさだまっておらず、しかも現時点では圧倒的に大失敗だったと結論付けられているにもかかわらず、イラク戦争開始時のブッシュ政権国務大臣だったパウエルに対し日本の天皇が勲章を与えるということは考えられないのですが。。

記事の根拠を知りたい。まさかウィキペディアにそう書いてあるから、書きましたじゃないですよね。まともな知性を持っていたら、書いてるとき、もしくは読んでるときに変だと気付くんですけどね。その意味で、記者だけでなく編集者も馬鹿なんだろう。

日経ビジネスについては評価したばかりだが、ちょっと評価が下がった。
ノーベル賞受賞者の研究成果に対する記事のわけのわからなさと、金融危機を解説する記事のわけの分からなさ具合の本質は一緒。

ノーベル賞受賞者の研究成果解説(対称性の破れ等)にみられる、読者を煙に巻くようななにも本質を理解していない表層的な記事は、世界最高峰の専門家しか理解できないようなことをジャーナリストが説明しようとするから、仕方ないのかもしれない。(それに本質的なことを書かれてもほとんどの人は理解できない。)

一方、今回の金融危機をめぐる一連の報道については、ジャーナリストがもっと理解していて良いはずだし、読者の要求に応えるためには理解しなくてはならないはずなのに、ほとんどが表層的な説明に終始している。
表層的な説明とは、危機のメカニズムの本質を理解しないまま、だれかの解説を受け売りでそのま書くような説明である。
結果、日経新聞以外の各紙の解説はほとんど似たような内容になっている。(ノーベル賞報道についても同様。対称性の破れに関しては持ち出されるのは、テーブル上のナプキンの例と、瓶のなかの球の例で、皆同じ。)
日経も経済新聞なので他よりはましだが、それでも読んでてこの記者はあまり理解しないまま書いてるんだろうなと感じることが多い。(自分が理解しているわけではないが、理解していない人の文章であることを察知する程度のリテラシーは持っているつもり)

個人的には、日本の金融危機との類推で、最終的には資本注入が必要というのはずっと前から思っていたが、ここまでひどくなると言うのは想定していなかった。
日経平均13000円くらいになったときにそろそろ株の仕入れ時かなとも思ったし。公的資金が入っていないにもかかわらず、そう思ってしまったのは、メディアの論説を鵜呑みにしてたから。(年初にはほとんどのエコノミストも今年後半からは景気回復といっていた。逆張りしていたのは、元財務官の榊原と、水野和夫くらいか)自分の直感の方が正しいときもある。特に国際金融についてはマスコミ記者が全く理解していない事がよく分かった。今回はそれが教訓。

今回の危機関連の解説で、いくつか読んでいて面白かったのもあって、ネットの日経ビジネスの記事はいいのが多かった。ネットで無料で見るにはお得な記事が、タイムリーに流されていた。基本的には学者よりも、実際に金融で働いている人たちの方が実際的な説明で本質を突いている。
学者の記事でも良いのはいくつかあって、面白かったのは、池尾和人の日経の経済教室の記事、竹森俊平、小林慶一郎の三氏くらいか。

ところで、最近雑誌業界が大変なようだが、今回の危機でそれがよく分かった。危機の進行スピードが速すぎて、月刊誌などは全くついて行けない。発行された瞬間から既に古い情報であり、あまり読む価値がない。(ただ英誌エコノミストは、タイミング、質ともにさすが)そう言う意味では、日刊紙はまだ大丈夫なんだろうな。
ただ、良い記事をタイムリーに載せていた日経BP日経ビジネス(訂正)のネット版も、本体(雑誌業)がつぶれてしまってはダメなわけで、そう言う意味では雑誌にもがんばってもらわないとな。



また、今回の危機については、経済的な意味にとどまらず、価値観の転換をもたらす気がする。それはいい意味で。単純に言えばアメリカ的な金持ってるやつがすごいという拝金主義から、日本的な誠実が美徳とされる主義。もうすぐで拝金主義に全てからめとられる一歩手前で、後者の価値観の大事さというのが再認識されるんじゃないでしょうか。


あとは、政治・経済的な理念で言えば、小泉イズムの名実ともの退場かな。そう言う意味では、麻生総理大臣の登場というのはタイムリー且つ象徴的なものになるかも。偶然的なものではあるが。
でもここで予想しておくと多分次の選挙は自民党は駄目だろう。
テロ特措法を簡単に通させるという民主党の肩透かし作戦は、結構自民党にとっては辛いとおもう。あと、米国大統領選はオバマが勝つだろうし、そうなると余計に「チェンジ」になるだろうなと。
そういう意味では、米大統領選の前に選挙した方が自民党的には良かったんだろうけど、情勢が許さなかったんだろう。

久しぶりに書評以外のエントリ。

あと、野村はうまくやったけど、三菱東京UFJのモルスタ出資はけっこうやばいんじゃないの?
○長妻昭
長妻氏の行政の無駄攻撃は頑張って欲しいものだが、彼が記者クラブで仕事法につき講演しており、それが非常に面白かった。題して「私の調査活動」

http://www.jnpc.or.jp/cgi-bin/pb/pdf.php?id=354

・主要六紙、雑誌、ブログ、2ちゃん目を通す。

・おごりチェック

・スケジュールスクープを重視しすぎる。→朝日の解散報道

・思考のコンビニ化を避けるべし、沈思黙考の時間を作る。


○黒木亮
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080908/169929/

黒木亮が日経ビジネスで対談してた。面白い。題して「いまさら「日の丸開発」は無意味--「国際資源戦争」の実相を読む」
あと、対談相手の谷口さんという人も面白いことを言っている。

谷口:わたしは、燃料費や原材料費が上がるのならば、それを転嫁しても十分に利益が価格で、製品を売ればいいと思います。これまで日本の製 造企業は、あまりに安い価格で製品を輸出してきました。製造原価に適正利潤を上乗せするという時代遅れの考え方にとらわれてきたために、品質は世界最高と いわれているにもかかわらず、その価値に見合う価格をつけて売るという発想ができなかった。  けれども、いまや資源獲得競争で劣勢に立たされ、高い原料費や燃料費を前提にしなければならない状況にあるのですから、自らの付加価値をいかに価 格に反映させるかというプライシングの戦略を真剣に考えなければ、国としても企業としても立ちゆかなくなるのではないかと思います。 →同感。良いものはもっと価格を上げて言い。

谷口:日本の産業構造は、昔から川下が偉いということになっています。自分より次の工程が「お客様」で、最終的なお客様である消費者は「神様」ということです。そろそろそういう発想は捨て去らないと、世界では通用しなくなるでしょう。
→之も同感。

谷口:資源についていえば、わたしの考え方は反対で、日本はアジアに回帰すべきだと思います。わたしの持論に「スイカ縦割り理論」というの があります。陸上における資源の分布状況を考えるときに、地球をスイカに見立てて、陸地の部分を4つか5つに分割すると、分割された各スライスにはあらゆ る資源が分布しています。  日本は、極東シベリア、中国、モンゴル、東南アジア、オセアニアを含むスライスに属しているので、資源確保は基本的にこの域内で行い、どうしても 域内では調達できないプラチナのようなものだけを域外から調達すればいい。それが日本にとって最も効率的な資源調達の戦略だと考えています。  何も中国のように欧米の裏庭であるアフリカまで出かけていく必要はなくて、いま以上にアジア、オセアニア、シベリアとの物流を拡大し、それを日本のモノづくりに生かすという方向で考えるべきだと思います

黒木:プーチン首相はサンクトペテルブルク鉱山大学出身で、『ロシア経済発展戦略における天然鉱物資源』と題する修士論文を書いています。ロシアが西側諸国に追いつき、追い越すためには、国の最大の強みである鉱物資源の開発・生産を基礎にするしかないと主張している。
谷口:家宝首相は、中国地質大学(旧・北京地質学院)の出身で、甘粛省では地質鉱山部副部長などを歴任したメタルのプロです。こういう人物が政府のトップにいるので、資源開発の重要性を十分に認識しているのだと思います。
→しらなかった。


○佐藤優
http://www.business-i.jp/news/sato-page/rasputin/200809240009o.nwc

「外務官僚が「右バネ(右翼)」に「軟弱な態度をとっている」と批判されることを恐れたからだ。日本の外務官僚には「右バネ」に対する過剰な恐れがある。右 翼的潮流に迎合するか、逃げ回るかのいずれかである。外務官僚に右翼の人々と誠実に話をするという腹が欠けているからだ。外務官僚が表面上、勇ましいこと を言っているときは、右翼対策であることが多い。」
→まさに自分自身のことですね。二島返還で突っ走ったあと、右翼対策で自らを「国家主義者」と名乗り、右ばねにおもねってるのはどこのどいつか。
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